Azuという名のブシェミ夫人

パリ、ジュテームのAzuという名のブシェミ夫人のレビュー・感想・評価

パリ、ジュテーム(2006年製作の映画)
4.3
ジャケットもオシャレで、特典たっぷりのデラックス版を愛蔵しています。

パリ18区を舞台に『テーマは愛』だけ決まっていて、それをとっても豪華な監督陣が各々のセンスで調理して、素敵なフルコースが出来上がり♪
演じる俳優も素晴らしいチョイスで、それぞれの物語はほんの5分程度の時間ですが、濃密で贅沢なひととき。
こういうオムニバス映画はハマらない作品であっても、一つくらい自分の感性に触れるものがあるのではないかと。
だからフルコースじゃなくても、アラカルトでも楽しんでお召し上がりいただけます。笑
監督たちが他の監督作品に俳優として参加していたりなんて遊び心も楽しい。

フランスは観光客も多様だけれど、移民も多く受け入れており、受容の国であるがゆえに地区ごとにその歴史も様々である。
グリンダ・チャーダ監督『セーヌ河岸』のフランス人少年とアラブ系移民の少女の話なんかはそれが色濃く出ていて印象的。

お気に入りなのは、もちろん我が愛するブシェミ主演の『チュイルリー』!
おなじみコーエン兄弟が監督です。
地下鉄のホーム、線路を覗きこむ男の後頭部が画面いっぱいに。
振り返ったその男こそ、ブシェミ♡♡♡
顔面ドアップで既に情けなさ全開の観光客ブシェミに、きたきたきたーーーって感じ。
普通登場人物が理不尽なヒドイ目に遭うと、可哀そうでちょっと引いちゃうんだけれど、何故かブシェミはヒドイ目に遭えば遭うほど愛おしい!笑
だけど『コーエン兄弟に殺されないなんて珍しいじゃん!やったネ、ブシェミ☆』みたいな謎のお祝いしちゃうよね。
あぁぁジュテーム♡(●´∀`●)

あとはガス・ヴァン・サント監督の美しきゲイチックな『マレ地区』、トム・ティクヴァ監督の盲目青年とナタリー・ポートマンがキュートな『フォブール・サン・ドニ』、アレクサンダー・ペイン監督のおばちゃん観光一人旅『14区』がお気に入り!
シルヴァン・ショメ監督『エッフェル塔』とヴィンチェンゾ・ナタリ監督『マドレーヌ界隈』とウェス・クレイヴン監督『ペール・ラシェーズ墓地』のオイオイと突っ込みたくなる妖しいファンタジー感も好きです。
アルフォンソ・キュアロンのもいいなー。
・・・ほとんど全部じゃん。

出会い、別れ、人々の喜怒哀楽溢れる人生のひとコマが過ぎゆく中、パリの街は変わらずそこにあり続ける。
実は10月に念願のパリ旅行に行ってきます♡
14区の女性の様に、私なりのパリを見つけに行ってこよう。
ブシェミが座ってたとこってそのままかなぁ、私もあそこで写真撮りたいなー♡