KeN

127時間のKeNのレビュー・感想・評価

127時間(2010年製作の映画)
3.4
初見。またまたHuluにて。

「教訓。安い中国製の万能ナイフは買うべからず。」by アーロン・リー・ラルストン

名匠ダニー・ボイル監督の“渓谷”サバイバルもの。無人島からの脱出をリアルに描いたサバイバルものの名作『キャスト・アウェイ』はフィクションであるが、この作品は登山家のアーロン・ラルストンの自伝『奇跡の6日間』をもとに、ダニー・ボイルが映画化したノンフィクション。

アメリカ ユタ州にあるブルージョン・キャニオンという名の渓谷で岩壁のロック・クライミングを楽しんでいる際に、上から転がり落ちてきた大きな石に右腕を挟まれ そのまま見動きがとれなくなるという、なんとも不運としか言いようがないアクシデントに見舞われる。
持ってるものは、400mlの水が入ったナルゲンボトル、既に空のハイドレーション、中国製の安っぽい万能ナイフ、SUNTOのクォーツ時計、クライミング・ロープ、Petzlのヘッドライト、キャノン製のビデオカメラといった軽装備に、Tシャツ、短パンそれに野球帽という身なり…。
いくらサバイバル術に長けていたベテランのクライマーとはいえ、このような境遇で6日間も生きのび続け、自らの冷静な決断力と強い意志で脱出に成功するのだから凄い…。この脱出劇で唯一「奇跡」と言えるのは、自らの力で渓谷を脱出し彷徨っていた時に、この国立公園をハイクしていた家族にたまたま出会えたことぐらいではなかろうか…?あとは決して奇跡とかではなく、アーロン自身のサバイバル技術となんとしても生きのびようとする強い意志があったからこそ成し得た脱出劇である。

しかし、それにしても何故 ダニー・ボイルはこのようなサバイバルものの作品を製作したのだろう…?彼も登山やクライミングの愛好家なのだろうか?『トレインスポッティング』のイメージが強く、あまり結びつかないけど…(笑)
いずれにせよ、この作品中にもダニー・ボイルならではの映像やカッティング手法が随所に織り込まれている。“スパイダーマン”ことジェームズ・フランコの痛々しく生々しい熱演も光る。

いやいや、しかし いくらなんでもこんなクライミングを楽しむことなど、私の場合 一生ないだろうけど、今後も長く登山を続けていくつもりなら、やはり基本的なロープの結び方ぐらいは学んでおいて損はないのかな。
週末の度にドライブ〜車中泊〜マウンテンバイク〜トレッキングというアウトドア・ライフにはめちゃ憧れる。


「彼は今も登山や渓谷歩きを続けている。行き先の書いたメモを必ず残して。」by エピローグ
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