まりぃくりすてぃ

突然炎のごとくのまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

突然炎のごとく(1961年製作の映画)
1.0
もしもフランス映画アレルギーのある人がうっかりこれを観たら「ほら、こんなだからやっぱりフランス映画は大っ嫌いなんだ。腐ったミカンみたいな愚作品だ」と唾棄しちゃうことだろう。……………部分的に黴びてるミカンならまだ外からわかるけど、見かけだけ綺麗なオレンジ色なのに齧(かじ)ってからオエッとさせる(中身全体が完全に変質してる)ミカンって、心底悲しい。

何がいけないかといえば、作り手が徹頭徹尾baiser(ベゼ)のことしか考えてないのだ。人生も精神も信仰も未来も世界も人類も家族も仕事も魂も命も愛も何もない。俳優たちがどうこうじゃない。トリュフォー氏が悪い。全然評価できない「終電車」よりもさらに酷い、狭さ。
あまりにも中身がなさすぎて、最初の三十分ぐらいでもう、私はラストで必ず必ずmort(モール)が来るって予測できちゃった。そしたら、完全にその通りになった。したがってトリュフォー氏との口喧嘩には私、勝てる。