アニマル泉

望みなき捜索のアニマル泉のレビュー・感想・評価

望みなき捜索(1952年製作の映画)
4.3
ジョセフ・H・ルイスは「火」と「水」だ。子供たちが乗った飛行機が火を吹いて不時着、水辺で救出を待つ物語である。「火」の主題はエンジン爆発、少年がライターでガソリンを引火させる、居場所を知らせようと焚き木に火をつけようとする、と展開される。「水」は川、湖と本作を通底している。水上飛行機が珍しい。
ルイスはカット数を省略する名人でポン引きが上手い。前妻のパトリシア・メディナがハワード・キールにキスを強要する場面、二人のアップの切返しからポン引きで手前で見ていたジェーン・グリアごしになる。鮮やかだ。凡庸なカット割りだと見ているグリアの切返しが入ってカット数が細かくなるところだ。
前半でキールとグリアのキスシーンでラジオから子供たちが乗っている飛行機の遭難事故のニュースが流れるのは見事である。
少年が素晴らしい。ライオンが活躍する。
襲われて妹は水の中に逃げる、クライマックスは少年と妹は木に登って高低差でライオンと戦う。
1回目の捜索では「霧」が絶望的に捜索の邪魔をする。少年は時間にこだわる。キールから腕時計をもらう。子供の捜索に離婚した前妻と夫と再婚した妻が絡む設定が面白い。
場面は飛行機の操縦席と墜落現場が多い。
妹の泣き声が重要だ。
MGM映画。
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