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新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)2/Air/まごころを、君にのolnのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

僕は卑怯で、臆病で、ズルくて、弱虫

他人のくせに 何もわかってないくせに

しぬのはいやしぬのはいやしぬのはいや
殺してやる殺してやる殺してやる
もうやだもうやだもうやだ

僕の相手をしてよ、かまってよ、助けてよ

裏切ったな 僕を裏切ったな
だから、死んじゃえ

僕の現実は何処?
それは夢の終わり

僕は人を傷つけることしかできない
だったら、何もしない方がいい

気持ち悪い





感想です。

※シンとの対比も含めて書きますので、読んでいただく際にはお気をつけて。

本作はロンギヌスの槍が示すとおり、世界への絶望、世界からの拒絶で幕を下ろします。シンでは、世界への希望を見出して終わるので、似たような世界観で終劇に至るものの、全く対照的な終わり方を描いたんですね。

本作を通して見えてくる、40才を目前にした庵野秀明という男は、ATフィールド全開で、世界は自分を蔑んでいると思っていたのだと解釈できます。ゲンドウの顛末については、和解どころか、顔も合わさずに退場に至ります。

エヴァの考察では、誰が今目線を外しているのかに注目せよと言われますが、そもそも事実上のラスボスであるゲンドウが、シンジと同じ場所にすら居ないということは、シンジは自らの将来、ゲンドウは自らの過去から目を背けたことを意味するのでしょう。そりゃATフィールド全開だわ。

シン観賞後、独力では消化できない作品を消化するために、いろいろな解説を見聞きしたので、本作でも目についてしまったのですが、シンジから見た男性は、基本的に敵として描かれているように感じます。旧劇中で接触した男性には銃を向けられ、女性はなんやかんや言いながら許容してくれます。都合よく描きすぎじゃね?と思いますが、有名なラストはハッキリとした拒絶。なんだか調和が取れた気がします。

そして、気持ち悪いを決定的に印象付けている、アスカにまつわる冒頭の最低なシーン。旧劇の寝たきりアスカに対するシンジと、シンの塞ぎ込んだシンジに対するアスカの対応が対照的で、アスカはあのとき、シンジにこうして欲しかったんじゃないかなぁと思わせます。てか、エヴァって女性を性的に描きすぎですし、都合のいい女=良い人みたいに描かれている、なかなか気持ち悪い作品ですよね。

どうしたって、なんだか判らない描写がちょこちょこある作品ではありますが、エヴァマラソンを通じて、なんとな〜く庵野さんに対する理解が深まったように思います。ということで完走!おつかれした!
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