ショウコ

ポカホンタスのショウコのレビュー・感想・評価

ポカホンタス(1995年製作の映画)
3.5
オトナ目線で観直すとザワザワする映画。この作品の興味深いところは「実在した人物名を出している」という背景ですよね!

こちらの世界の男とあちらの世界の女が恋をする話。異文化間で争いが生まれ、後戻りがきかなくなる連鎖性が分かりやすく描かれてました。何もかも洗練されてて魅入ってしまいます✨

「侵略者側のイヌ×現地民のタヌキ」のバトルをそのまんま人間同士の戦争に当てはめてたり、カヌーで進路を取る際にあえて険しい方を選ぶ事で意思のある女性像を表現したり…全てがすんなり入って来る。解説されないと誰にも伝わらないメタファー()を入れてドヤってる監督さん方は見習って欲しい!

ディズニーアニメの凄さは流体の滑らかさだと思っていて、水の揺らぎや枝葉サワサワ、長い髪のサラサラはずっと眺めてても飽きません。風の流れまで見えてくる様で作画の緻密さにスィーっと気が遠くなる。眼福とはこの事だわ👁

いよいよ引っ込みがつかなくなり、お互い戦闘準備をしながらやるぞゴルァって息巻いてるシーンの緊迫感とか半端じゃなくドキドキした。赤色って効果的に使うとめちゃくちゃ目に刺さる色なんですね

苦味のあるラストも大人向けで久々に涙が出てきました





が、鑑賞中の私の幸せを邪魔するのが「歴史ベース」という点で。ポカホンタスってのは名前じゃなくてアダ名だし、ジョンスミスは彼女を人質に取って食料を強奪したあげく本国に誘拐していったクソ野郎らしい。実際にはこんなボンキュボンではなく10歳の小娘だったという事でロリコンブーストも加算され余裕のド外道K点超えです💮

織田信長が魔王として復活したり最近では女体化までするぐらいですし歴史上の人物で好きに遊んでも良いとは思うんですが…先住民族側の主張をガン無視してスミス氏の言い分ばかりを採用してるのがもう気になっちゃって仕方ない。今も引きずってるデリケートな問題ですし、崇高な平和メッセージも侵略者側の上から目線で言われると白々しい…どころか喧嘩売ってるみたいに見えちゃいますね😒観てる間ずっとノイズになってて腹がムズムズしてました。ディズニーだもん安全安心♪って小さな子供に観せたら史実だと信じちゃうよ

昔の西部劇でインディアンを好き放題ぶっ殺してるのを観ると(こんな風に描いちゃう時代もあったんだなぁ)って感慨深さがありますけどポカホンタスは95年…割と近代。方向性は違えど根っこは変わらないのが人間なのだとひとつ哲学を得た気分

大して興味もなかった歴史をちゃんと調べてみるキッカケになったのが最大の収穫です📝
ショウコ

ショウコ