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グレイ・ガーデンズのArxのレビュー・感想・評価

グレイ・ガーデンズ(1975年製作の映画)
3.8
かつての上流階級の母娘は夫からの一方的な離婚通告を経て、極貧の中グレイガーデンと呼ばれる一戸建ての家ーというかゴミ屋敷で世間の目を避け暮らしていた。彼らは残念ながら?仲睦まじいというわけでは全くなく、美しく周囲に恵まれていた過去に囚われながら、自分が選ばなかった(選べなかった)人生の選択の後悔を相手にぶつけ、しょうもない事で口論が絶えない。しかし、娘がぼそっと「できれば長生きしてほしい」と語るなどお互いへの愛情も見え隠れする所が完全に共依存関係で、この隔絶された世界の中での人間関係の煉獄を見ているのはしんどい部分もある。ただ、ある意味では美しい(家はクソ汚いが)2人の永遠の夏休み感もあり、カメラを向けられているからこその出演者のパフォーマティブな部分の面白さありと、結局見終えた後は、彼女らの関係性と同じく私もこの映画に対し愛憎が半々といった感想に。
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