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シングルスのArxのレビュー・感想・評価

シングルス(1992年製作の映画)
1.9
元々ローリングストーン紙で音楽ジャーナリストをしていたキャメロンクロウが、当時距離の近かったシアトル音楽シーンを元にした恋愛コメディ。実際、グランジバンドであるパールジャムやサウンドガーデンが出演している。

本作のサントラ(名作!)を聞くと、恐らくキャメロンクロウはグランジを60s~70sクラシックロックリバイバルとして見ていたのでは無いか(Zepの”Battle of evermore”カバーもある)。確かにそう言った面はあるが、今改めてグランジを振り返るとより多くの視点がある。主流派への反抗、皮肉な態度、メンタルヘルス...今作はそのような観点を完全にオミットしている(それらを体現していたニルバーナがサントラに一切入ってない)。

だからといって本作をグランジへの愛が無い駄作だと言うつもりはない。いや、映画としては普通にクソつまらないが、”Smells like teen spirit”から1年弱で公開された今作の凡庸さ、能天気さが「その後」を知っている身からすると少し眩しく思えるのだ。
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