HK

狼は天使の匂いのHKのレビュー・感想・評価

狼は天使の匂い(1972年製作の映画)
3.4
ルネ・クレマン監督(『禁じられた遊び』『太陽がいっぱい』『雨の訪問者』)のフィルム・ノワールで、これまた昔から知ってたもののきちんと観るのは今回初めて。
ジャン・ルイ・トランティニャンが主役ですが、共演はロバート・ライアンやティサ・ファーロー(ミア・ファーローの妹)の他、フランス映画なのにアメリカ勢多数。
冒頭から怪しい輩に追われるトランティニャン(本人も怪しい)が、行きがかり上ライアン率いるギャングの一味と行動を共にし、一緒に大仕事をすることになりますが、なんとも奇妙な雰囲気で物語が進みます。

女性ばかりのパレード、ルイス・キャロル、ビー玉、笛の音、タルト、チェスの駒、3本のタバコ、両腕の腕時計、お祈り、消防車、ポラロイドカメラ、蝶ネクタイ、サブマシンガン、航空券、約束 etc,

トランティニャンは主役のくせにいいヤツか悪いヤツかどうもハッキリしませんが、ライアンの方は存在感抜群でギャングの面々もそれぞれ個性的です。女性2人がシュガー(砂糖)とペッパー(胡椒)と呼ばれていたり、妙にリアルで独特な連帯感がある共同生活には不思議な面白さがあります。
しかし主人公はじめ何人かのキャラの行動が謎だったり、大仕事のわりに計画が杜撰だったり、ストーリー展開がいろいろと歯切れが悪いのも確か。
フランシス・レイの音楽も今回はあまり印象に残りませんでした。
(でも難聴のせいかも)
HK

HK