ビターチョコ

自転車泥棒のビターチョコのネタバレレビュー・内容・結末

自転車泥棒(1948年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

数年前に初めて観たが、それまで百回以上(!)本や雑誌でタイトル(だけ)を見た記憶がある。それも傑作として。

あらすじ(うろ覚え)。
第二次世界大戦後のイタリアは大不況。とにかく仕事がない、全くない。みんな仕事が欲しくてたまらない。そんなとき主人公の中年男は「自転車」を苦労して手に入れて、ポスター貼りの仕事を得ることができた。しかしすぐ自転車を盗まれてしまい、幼い息子と懸命に探し始める……。

ふつうの映画なら、最後に自転車が見つかるだろう。盗んだ奴と闘って取り戻す展開。あるいは(何かのキッカケで)みなが協力してくれて自転車が見つかる展開。だがこの映画はそうはならない。

ところで、この映画のテーマは何か。自転車探しはモチーフで、テーマは別だろう。大不況で無職なのは辛いし、思い合う父と幼い子の姿は感動をよぶ。それより私は「人生は甘くない」がテーマの気がする(人によって答は違うだろう)。

表面的なストーリーは次。
仕事道具の大事な自転車を盗まれた中年男が、幼い息子と探しまくるだけ。だけど私はそうは思わない。最後まで自転車が見つからないからこそ、この映画には価値がある。そんな気がする。

ところで、ユニコーンに『自転車泥棒』という歌がある。「遠い昔、キミが僕のお気に入りの自転車に乗ったまま、どこかに行ってしまった」という歌だ(テキトー)。百回以上歌った気がするが、最近は歌わなかった。でも今日は数年ぶりに歌った気がする(自転車に乗りながら)。