冒頭の広末のツカミは抜群だった。「婚活キャラ」というのは数あれど、テンプレではなく結構斬新なキャラだったのがいい。話はよくある入れ替わりモノだが、張り巡らせた伏線や解決の仕方がかなりスマートで最後までテンポよく楽しめる。
全体的な話のテイストは伊坂幸太郎っぽく、そういうのが好きな人にはオススメである。クライマックスも、本来ならここで話を畳みたい所をグッとこらえて、本当に窮地を作り出したのも上手かったし、この作りで御都合主義には感じなかったのが凄い。話のきっかけも変に理屈付けずに、完全な偶然として割り切ったのも英断だと思う。
話の構造上、堺雅人演じる主人公がやや物語の枠から弾き出されている感じがあり、最後もやや蛇足に感じはしたが、幸せは身近にあるって感じでいいんじゃないですかね。よくまとまっている良作。