松田

鍵泥棒のメソッドの松田のネタバレレビュー・内容・結末

鍵泥棒のメソッド(2012年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

めっちゃ面白かった。話も面白かったし、2時間あるけど所々にシュールな笑いどころがあって飽きなかった。

音楽の趣味もきちんとした性格も似ている広末と香川が恋に落ちるのは必然だったんだろうけど、それも香川が記憶をなくし、堺が鍵泥棒をしなければ起こらなかった恋で、色々あり結ばれた2人を見たら感動した。車のアラーム音を恋に落ちた音にしたのは天才の発想…。最後の、アラーム音が鳴り響く車内でタバコを吸っている森口の後ろで2人がぎこちなく抱き合うあのシーンが大好き。その後の、猫を抱いた堺を見てアラーム音が鳴るのも好き。オチがめちゃめちゃ好きな映画。おしゃれなオチ。

いろんな恋心があるんだなと思った。荒川良々は、昔の女である森口瑤子を楽に殺してやってくれと言ってた。これって愛してるから(愛してたから)だと思う。
森口瑤子は、社長を殺したひとを殺してやりたいと言っていた。これも、社長を愛してたからだと思う。(最後どうでもいいわよあんなハゲって言ってたけど)同じ感情でも、さまざまな形があるんだな〜と感じた。私はそんな状況になったことないから共感はできなかったけど。

堺雅人と香川照之の、演技の振り幅が見れて面白かった。にしても香川照之の冴えないおじさんの演技ってめちゃめちゃ良いよね。堺雅人が着てた時は何にも思わなかった服、香川照之が着たらめちゃめちゃダサくて笑った!堺雅人ってダサい服着こなす才能があるよね。

堺雅人って度胸があるなと思った。私だったら裏社会に首突っ込んでいかないし。誰かを助けようと自分から動いたりしないで警察に任せちゃう。ヤクザ相手に一芝居打とうなんて絶対思えない。そんなことができちゃう堺雅人は、もしかするとこの後役者として大成するのかもしれないなとおもった。

全体的に香川照之が優しかった。自分に成り代わられ仕事も家もめちゃめちゃにし、金すら全部使ったのにあんまり怒ってなくて優しいなと思った。金が手に入りすぎて執着しておらず、仕事から足洗うつもりだったんだろうな。金も今までのものも全部いらないから、広末と一緒にいたかったのかもしれない。だから怒らなかったのかも。
テキパキ仕事する香川照之がかっこよかった。

広末の父親が、金や一級品に囲まれる生活を送っていたが大事なのはそういうことではなく、愛する人と出会えたことが一番って言ってたのが心に残ってる。
堺雅人は金がないから自殺しようとしたんじゃなくて、結婚しようと思ってた女にフラれた?からだった。この世はもしかすると金やもの、地位や名誉ではなく、愛なのかもしれない。香川照之はそれらを、自分の人生さえも全部捨ててでも一緒になりたい女を見つけたから、それらに執着せずしっちゃかめっちゃかにされても堺雅人を怒らなかったのかもしれない。

香川照之と広末涼子から堺雅人が怒られたり叱られたりしてる時、自分に対して言われてるようで辛かった。
エンディングのイラストがおしゃれ。
あと荒川良々って意外と背がでかい
松田

松田