『砦のガンベルト』
Chuka(チャカ)
1967
ロドラー・プロ
『鳥』『タイムマシン』のロッド・テイラーが製作・主演した西部劇。
1967年はベトナム戦争の真っ最中。ガンマンが先住民をやっつける様な単純な西部劇はもう作られていない。
馬車が一台、アラパホ族に追われて騎兵隊が駐屯する砦に逃げ込む。腕が立つ一匹狼のガンマン・チャカも一緒だ。
食料と武器を欲しているアラパホ族は騎兵隊が駐屯する砦を度々襲撃している。
馬車に乗っていたのはスペイン人の貴婦人とその姪。貴婦人はチャカと昔から愛し合っていた様だ。
騎兵隊の隊長(ジョン・ミルズ)は英国訛りの紳士だが何を考えているか分からないところがある。
隊長の忠実な部下の曹長(アーネスト・ボーグナイン)は肩幅が広い。隊長に敬意を払わないチャカを目の敵にする。
チャカはアラパホ族に食料と武器を渡せば共存できるというが隊長は原住民はやっつけるしかないと言う。チャカは砦が孤立無縁になっているこの隊長はバカだと見抜く。
隊員の中で反乱を企てる動きがある。無能な隊長を拘束してアラパホ族に食料と武器を渡して砦を明け渡して逃げようという企みだ。
そうこうしているうちにアラパホ族の総攻撃が始まる。砦の人々の運命やいかに、、、
深読みしすぎかもしれないが、無能な指揮官の命令のもとベトコンの攻撃に次第に疲弊していくアメリカ軍の様子が重ね合わせられている様な気がした。
ロッド・テイラーさんは独立独歩のガンマンという役柄だけど実直そうなゴツい顔でワイルドな殺し屋とはちょっと違うかな。
翌年『ワイルドバンチ』という壮絶なバイオレンス映画が現れる。『砦のガンベルト』は迫力もストーリーもあと少しという感じ。