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ふしぎの国のアリスのRenのレビュー・感想・評価

ふしぎの国のアリス(1951年製作の映画)
4.5
大袈裟無しに、私の人格形成の一端を担っている映画。この『不思議の国のアリス』と『ピーター・パン』と『ダンボ』をヘビーローテーションで観てた幼少期だった。

この前めちゃくちゃ久しぶりに再見。まぁぶっ飛んでいる。目に痛いくらいの色使いも、あるようで無いストーリーラインも、アクの強すぎるキャラクターも全てが鮮烈。絵としてはとことんカラフルでお洒落でポップなのに、それらが継ぎ合わされるとドラッギーになるという、まさに「夢」の体験。

アリスが穴に落っこちた後、今頭の中で思いつくだけでシーンは7つ。これだけエピソードを突っ込んで上映時間75分。まさに支離滅裂、話の繋がりも何もあったものではありませんが、でも確かに夢ってこうだよなと納得してしまう。起きながらにレム睡眠を体感できる映画。

誤解を恐れずに言えば、大真面目に観る作品では全く無い。映画を観る目的を "非日常体験" とするならここまで映画的な映画には中々出会えないと思うし、ちゃんとアニメである必要を感じるアニメ映画だとも思う。

従来の、誰かのサクセスストーリーであったり何かの教訓を強く含んだ作品では無い、特殊なディズニー作品だからこそ大切にしたいと大人になって感じる。公開当時はかなり賛否両論あったようだが、ディズニー好き/映画好きとして、この映画の良さは風化させてはいけないと思う。

イモムシがパイプをふかして色々なアルファベットの形のケムリを吐き出すシーンがあるが、ここの吹き替え日本語訳をした人は本当に凄い。全編通して名言/迷言多数。ヘビだ〜〜。
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