すずき

ビートルジュースのすずきのレビュー・感想・評価

ビートルジュース(1988年製作の映画)
2.5
アダムとバーバラは、自動車事故で亡霊となった夫婦だ。
彼らが死んでから売家となっていたアダム宅を買ったのは、実業家の夫チャールズ、芸術家の妻デリア、そしてゴスッ娘のリディアの家族。
好き勝手に改装する彼らを追い払うため、アダム達は驚かして立ち退かせようとするが、まったく気付いてもらえない。
そこでアダム達は、人間を追い払う専門家「逆エクソシスト」の亡霊、ベテルギウス改めビートルジュースを召喚するのだが…

手作り感溢れるクリーチャー達や、コマ撮りアニメと俳優の昔ながらの合成、セット感溢れるダークな御伽の国…ティム・バートンの世界感が早くも爆発の監督第二作。
ビートルジュースを演じるマイケル・キートンの演技もピカイチで、カートゥーンアニメのようなキャラクターをそのまま演じている。
クライマックスのビートルジュース大暴れも見ていて楽しく、「マスク」のジム・キャリーを思い出した。
あと後に監督する「バットマン」のジョーカーっぽさも感じる。
そして、ゴスっ娘のウィノナ・ライダーもカワイイ!

以上が褒めるポイント。
この映画、問題はストーリー展開や会話がメチャクチャな事だ。
ストーリーの大筋は理解できるんだけど、説明不足なのか唐突なのか、イマイチどうしてそーなるのかよく分からん所が多々。シーン毎の点と点が繋がらない感じ。
会話もキャッチボールというよりドッヂボールな所もあって、「?」な箇所だらけ。
ひょっとしたら原語版では分かりやすくなってるのかもしれないけど。

個性豊かな異形の亡霊達(原語版では恐らく名前無し)が出てくる度に、何故か日本オリジナルのダジャレ混じりの名前を表示したり、「バナナ・ボート」の歌に日本語空耳のしょーもないネタを合わせたり、何処を狙ってるのかよく分からない字幕。
小学生やファミリー層に向けてなのか?この映画そーいう映画じゃないんじゃない?

そして吹き替え。
ビートルジュースの吹き替えは、西川のりおが担当!
これにはどうも賛否両論みたいだけど、個人的には「否」だ。
西川のりおの吹き返し声優スキル自体は、悪いとは思わないけれど、ゴス・ファッションに身を包んだビートルジュースが、コテコテ関西弁で捲し立てる、ってのはちょっと…
原語版でも田舎っぽさとか訛りとか、そーゆー感じの演技だったんだろうけど(推測)、どー考えても関西弁はイメージ違うよなー。
西川のりお以外も、全体的にフリーダムな吹き替えで、視聴者を楽しませよう感は伝わるけれど、ちと空回り気味だ。