こねずみ

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団のこねずみのレビュー・感想・評価

4.3
今までのハリーポッター作品でトップレベルに好きかも。
今作は、キャラクター達それぞれがすごく良い存在感を放ってたと思う。

まずハリー。いつものように理不尽な目に遭うだけじゃなく、自分に降りかかる災難のせいで周りの人をも傷付けてしまう。
しかも今作に関しては、絶対的な安心感があったダンブルドア校長ですら立場が怪しくなる状況。他の守ってくれる大人たちも危険な目に遭って、これまで以上の深い孤独を感じたんだろうなぁ…ずっと支えてくれてたロン・ハーマイオニーは心強いけど、その二人にも支えきれなかった孤独。

そこを上手く支えたのがルーナだろうなぁ。セストラルが見える数少ない仲間、つまりハリーの孤独を一番理解できる存在かもしれない。
肉親を失う辛さ・学校内で孤立する辛さを味わっていながら、決して悲観的にならず、自分らしく生きる強さを持った魅力的なキャラだと思う。(でもガツガツしたウザキャラな訳じゃなく、不思議な雰囲気を纏った可愛い女の子だからますます良い…)
孤独に潰され悲観的になりかけていたハリーを、何気ない会話で励まし、良い影響を与えていく。

ネビルもかなり成長して嬉しい。あんなに弱々しかった彼が、ダンブルドア軍団の一員として共に闘おうとし、一人で抱え込むハリーを叱る姿にじーんときた。
ロンのお兄さん達も、ただふざけ倒してるだけかと思いつつ、スカッとさせてくれて最高だった…!

魔法省に例のあの人…ハリーにとって敵となる者は多すぎるし、味方の大人たちもあんまり心強くない(映画の尺の関係上、騎士団の活躍がカットされたのかな)。
でも逆に、生徒たちをメインで描いてくれたおかげで、それぞれの苦悩や成長が沢山観れたなぁと思う。ハリーとヴォルデモートの意識がせめぎ合う場面、過去作の幼かった頃のシーンが次々出てきてだいぶエモかった…

あと、今作は演出が分かりやすくて良かったなぁ。
ピンクおばさんとマクゴナガル先生の立場を階段の段差で表現したり、
壁に掛けられていた校則が一斉に落ちて割れるシーンで、ピンクおばさん絶対王政の崩壊を表現したり。
誰がどういう立場に置かれてるのか、すごく分かりやすい演出だったと思う。

悪かったポイントを強いて言うなら、
サブタイにもなってる不死鳥の騎士団の活躍が少なかった(尺的に仕方ない)のと、
ストーリーがほぼ本筋に必要な部分だけだったゆえに、ハグリッドの巨人の場面が唐突すぎて浮いてた(ピンクおばさん成敗用に必要だったので仕方ない)
でも、長いストーリーを上手くまとめるために仕方なかったと思うし、全然致命的なマイナスでは無かったので、すごく良い作品だったと思う。



ピンクおばさんだいぶウザかったけど良いキャラしてたなぁ…結構好き。「僕は嘘を付いてはいけません」が上手く伏線になってて面白かった。
あと、スネイプ先生の過去の記憶…続編で詳しく見れるのかなぁ。楽しみ。
こねずみ

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