こねずみ

TENET テネットのこねずみのレビュー・感想・評価

TENET テネット(2020年製作の映画)
3.7
ノーラン作品苦手な私だけど、なぜかこの映画は2回目観たいって気持ちになれた。
確かに長いし難しいし、2回観てもまだスッキリできてないけど、ノーラン作品では一番好きかも。


◎観ていて楽しい映像
格闘・銃撃戦・カーチェイスなどの派手なアクションが楽しいのはもちろんだけど、そこに加わる逆再生映像が凄く面白い。
今までの映画でなかなか見たことのない、不思議かつ爽快感のある映像。
今回はDVDレンタルでの視聴だけど、映画館で4D映像で楽しみたかったなぁって思った。


◎キャラクターの良さ
メメントやインターステラーなどでは感じなかった、キャラクターの魅力が感じられたのが個人的に良かった。

特にニール。
物語が進むにつれ、主人公と息ぴったりの相棒的存在になっていくんだけど、
物語の最後では、切なくもミステリアスな、何とも言えない存在感を放っていたのが印象的だった。
吹替版の櫻井孝宏さんの声が凄くぴったりだったなぁ。
今作では間違いなしのナンバーワンキャラ。

あと、個人的にキャット役の女優さんが美しすぎてめちゃくちゃ印象に残っている。
調べたら、エリザベス・デビッキさんという方で、なんと身長が191cmもあるらしい。だからあんな信じられないほどスラッとしてたのか……!!一瞬でファンになった。


良いなと思ったのは以上2点。
逆に、残念だなと思った点も2つほどある。↓

▲複数回観る前提
1回観ただけでは意味不明。2回以上は観ないと分からないから、公開当初に複数回観に行った映画好きも多いんじゃないかと思う。
ただ、複数回観る前提なのって映画好きだから楽しめるのであって、普通に気になって観に行った人はショックだろうなぁ。鑑賞料千数百円をドブに捨てたって思われても仕方ないと思う。

▲ストーリーにメッセージ性が無い
しかも、何回も見て話の仕組みが分かったところで、あまりメッセージ性もない。感動もしない。
観る前は、こういう設定でありがちな「自分の意志で突き進む」「未来はいくらでも変えられる」ってやつかと思ってたけど、TENETをよく理解すればするほど、むしろ真逆のストーリーだと分かる。
この物語は結局「自分の意志は関係なく、運命は決められている」「未来は絶対に変えられない」ってお話。設定自体も現実とはかけ離れているし、この作品が現実世界を生きる私たちにくれたメッセージって何も無くない?って思ってしまう。
もちろんラストシーンのニールにはグッときたけど、あくまでキャラの良さであって、ストーリー部分の良さはあまり感じられなかったなぁ。


以上がTENETの感想のすべて!!
良くも悪くもノーラン作品だな、でも新感覚の映像と魅力的なキャラが良きだったなぁって気持ちです!
ニール視点のお話も見てみたい。
こねずみ

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