こねずみ

ジャッジ!のこねずみのレビュー・感想・評価

ジャッジ!(2013年製作の映画)
4.5
昔から大好きな作品。
エンタメ系の部活とか仕事してる人には特に刺さるんじゃないかなぁ。
笑えるとこも沢山ありつつ、ちゃんと感動できる映画だし、
自分の「これが好き!」って気持ちを大事にしたいと思わせてくれる映画。

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主人公の太田は、広告代理店の落ちこぼれCMプランナー。
周りからも白い目で見られる「無能」だけど、とにかく人が良くて、誰よりもCMを愛しているのが憎めないところ。
そんな彼は、いつものように面倒事を押し付けられ、国際CMコンクールの審査員を務めることになる。
いざ行ってみると、そこは不正審査の温床。CM愛の強い太田は、「正しいジャッジ」を下すために、さまざまな行動に出る。
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主人公・太田役、妻夫木くんの演技がとにかく良かった。喋り方や仕草で無能感をバリバリ出しつつ、ちゃんと憎めない感じ、良い人感が滲み出ていて、CM愛という芯があるキャラクターになっていた。
最初は頼りないダメ社員って感じだったけど、最後あたりになると、その場にいる誰よりも立派な人間に見えた。

レストランで審査委員長のジャックに自分の未来を覗いてほしいと頼まれるシーン、
普通だったら「出世して大金持ちになってますよ」とか言いそうなものなのに、
太田は「すみません委員長、Tシャツを着てスタジオにいますよ」とか言っちゃう。

本当にアホな回答だな!と思いつつ、
きっとCM大好きな太田が尊敬する姿・なりたい姿はそっちなんだろうな、
お金でも名誉でもなく、大好きなものに愛を注げることが何よりも尊いんだろうなと思ったし、
太田は本当に真っ直ぐで憎めないキャラクターだなと思った。
実際、そんな太田の姿にジャックも心打たれ、物語の結末が大きく変わっていく。

主題歌の『アイデンティティ』は、サカナクションらしく不思議な魅力のある曲で、何よりこの作品のテーマにぴったり。
他人の評価を気にして、お金や立場のために必死になって、自分を見失いたくはない。
凡人でもいいから、好きなものを好きだと言い、自分らしさを忘れずにいたい。

これから先、仕事して生きていく中で絶対に大切にしたい考え方をもらった!
この作品に出会えて良かったなって思う。
こねずみ

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