カルダモン

ほら男爵の冒険のカルダモンのレビュー・感想・評価

ほら男爵の冒険(1961年製作の映画)
4.6
人類初の月面着陸を果たしたトニーク。偉業達成!と思いきや誰かの足跡が。次々見つかる誰かの手袋、誰かの蓄音器、誰かのロケット。そこにいたのはホラ男爵ことミュンヒハウゼンとその仲間。ミュンヒハウゼンはトニークを月星人であると信じて疑わず、月に来たばかりの彼を地球へ連れて帰り、世界を案内するために冒険の旅へ出発する。トルコでお姫様を救出したり、巨大魚に船ごと丸呑みにされたり、そのまま胃袋から出られずに紅海、黄河、黒海など世界中を巡ったり。なんたる楽しい世界旅行。海中の表現がズバ抜けてるね。

どの場面もそのまま額に入れて飾りたいカレルゼマンの世界。コラージュだったり特撮だったりアニメーションだったり技法手法は多種多様。観る人を楽しませたい、驚かせたいというゼマンのロマンが一点に。そのことに一番感動する。



余談1
チェコのプラハ、カレル橋の横にはカレルゼマンの映画博物館があるそうな。美術セットや資料、ゼマンが映画で使ったような特撮技術を試したりできる体験型ミュージアムらしいです。行ってみたいなー


余談2
ブックオフにて4Kレストア版が1000円で投げ売りされてたので即救済。有意義な土曜の午後でした。以前に観たのはDVDだったので、画面の鮮やかさに驚いた。60年前の映画ということも忘れて没入。