すずき

ペット・セメタリーのすずきのレビュー・感想・評価

ペット・セメタリー(1989年製作の映画)
4.4
裏山にペット墓地がある、田舎の一軒家に越してきた一家。
医者のルイス、妻のレイチェル、小さな娘のエリーと、まだよちよち歩きのゲイジ、そして猫のチャーチ。
ある日、ゲイジは「ペット墓地を越えた先には行くな」と警告する霊と遭遇する。
そしてまたある日、チャーチがトラックに轢かれ死亡する。
エリーが知ると悲しむ事を危惧したルイス。
お隣さんの親切な老人はそんな彼を、ペット墓地を抜けた更に奥の山へと案内する。
そこは、埋葬したものを蘇らせる魔力を持った土地だった…

「ジャスティス・リーグ」でフラッシュがペットセメタリー連呼してるから、そして前々から観たかったので観てやったぜ!
スティーブン・キング原作だけど、オカルト・怪談好きには有名なイギリスの古典怪談「猿の手」のオマージュが多分に見られる。
「猿の手」にキングらしいインディアンの呪いとか、土地の呪いとかをミックスした感じ。

この映画、少しのグロとびっくり系もあるけれど、背筋がゾッとするような静かな怖さのホラー映画。
でもそれ以上に、愛と悲しさ、そして人間の愚かさが全編に漂っている。

全体のストーリーには直接的に関係ないが、妻レイチェルの過去のエピソードが良かった。
やはり悲しくて愚かなその記憶は映画に奥行きを与え、彼女のキャラクターとその恐怖に説得力を与えている。
そーゆー所を描写するのも、「スタンド・バイ・ミー」の大食いゲロ大会のエピソードっぽくて、キングっぽいかな、と思いました。

でもなキング、余韻が残るエンディングに、突然ラモーンズのアップテンポな曲を選曲したのはギルティ!
アンタは口出しせずに、脚本だけ書いてりゃいいんだよ!…と思いました。
映画自体は非常に良かったので、そのテーマ曲でスコアを下げるのは見逃してやるぜ!