フリッツ・ラングがナチスに逐われアメリカに移住したころの作品。正直、ドイツ期の「メトロポリス」や「M」ほどの衝撃は感じず、いまふつうに見て楽しめる作品だとはいえないでしょう。とはいえ、部分的にはいろいろと発見があります。
全体的に要素を詰め込み過ぎですが、後半の犯罪者ふたりの逃避行は、のちにアメリカン・ニューシネマ「俺たちに明日はない」などボニー&クライドものの原型となったらしく、なるほどと。
なお「暗黒街の弾痕」という変な邦題が付いていますが、原題は「You Only Live Once」。後年の「007は二度死ぬ」(You Only Live Twice)はこの題名へのオマージュだとか。