SAVE

パプリカのSAVEのレビュー・感想・評価

パプリカ(2006年製作の映画)
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思い知るがいい!三角定規たちの肝臓を!
さぁ!この祭典こそ内なる小学3年生が決めた遥かなる望遠カメラ!進め!集まれ!私こそが!お代官様!

この錯乱した口上からの狂気のパレード。この流れは何度観ても鳥肌が立ってしまう。
今は亡きアニメーション界の鬼才・今敏の最後の長編アニメーション作品。他人と夢を共有することが出来る装置・DCミニが盗まれたことから、主人公たちの夢のみならず現実までもが悪夢に汚染されていく様を描く。
まさに「夢」の世界を描いた映像は愉しくも奇怪。意味の通じない言葉の羅列や電化製品が踊るカラフルなパレード、人間の欲望も入り交じる無秩序な世界が画面一杯に広がる。さらには平沢進の音楽がそれらを彩り、不可思議な夢は観客をも一様に飲み込む。

結末も「夢」らしい結末で、よく分からないながらも感動してしまうし、よくよく考えれば色々解釈の余地があったりもするからいくらでも深読みも出来る。
何度観ても飽きない味のある傑作。
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