ブエノスアイレス二郎

遊星からの物体Xのブエノスアイレス二郎のレビュー・感想・評価

遊星からの物体X(1982年製作の映画)
3.9
古典的SFの名作を鑑賞。
だいたい3ヶ月前に観たんだけど、インパクトが強すぎた

個人的には最近のSFよりも40年前の本作の方が断然面白かった。
その一つの理由は、本作では一切CGを用いずに撮影したところ。技術的に撮影出来なかったというのが正しいんだけどね。
作中のモンスターから爆破のシーンまで全て実際に製作して撮影したそう。
あの気持ち悪いモンスターもスタッフの方が手作りしたからこそ、リアルすぎるくらいの不気味さ、醜悪さが伝わったんだろうね。
なんでもCGで撮影してしまう時代だからこそ、アナログな手法で撮影した作品の方がリアル感が増すし、魅力が増すんだろうなあ。
それにしてもどのモンスターもクオリティ高すぎて、本当鳥肌たった(笑)

そしてもう一つの魅力的な要素として、音楽が挙げられると思う。
本作の楽曲を担当しているのは、かのエンニオ・モリコーネ巨匠。それだけでかなり豪華なんだけど、実際にメインテーマもなかなかやばい。
低く迫り来るような楽曲で、緊張感が高まるし、正直心臓によくない(笑)
『ジョーズ』もそうだけど、この手のSF・ホラー系のスリルを演出する映画には、こんな感じの不気味で緊張感のあるテーマがかなり重要であることがわかる。
冒頭でこの楽曲が流れた瞬間、嫌な予感しかしなかったもんなあ。

楽曲繋がりでいくと、タランティーノ監督の『ヘイトフル・エイト』はかなりこの作品を意識していると思う。
雪山の密室で心理戦を繰り広げるところもそうだし、どちらもカート・ラッセルが登場するし、何より楽曲担当がエンニオ・モリコーネ。
これはもう偶然とは言い切れない。
緊張感あって全体的に低めのテーマ曲の雰囲気も似ているしね。
それほどまでにこの作品がSFや後世の作品にまでも影響を与えていることがわかる。

最後に個人的にかなり好きな部分なんだけど、それが衣装や観測基地の雰囲気。
登場人物が着ているN3Bみたいなミリタリーベースのアウターやコンバットブーツがかっこ良すぎた、、
毎年冬になると東京でカナダグースを着ている人を大勢見かけるけど、まじでオーバースペックなんだなって思う(笑)
それに室内での格好も良かった。
あんなに厚手のセーターが似合うのは彼らしかいないと思えるくらい、似合っていてかっこよかった。
やっぱり洋服は場所や季節、その人に合ったものを何気なく着るのが1番かっこいいなあと思った、、
もはや映画の感想関係ないやん(笑)