ブエノスアイレス二郎

時計じかけのオレンジのブエノスアイレス二郎のネタバレレビュー・内容・結末

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

ついに『時計仕掛けのオレンジ』に手を出してしまった、、、
カルト映画=万人受けする作品ではない、評価が分かれるだと思うのですが、
個人的には非常に好きな部類にあたる作品でした。

1970年に50年後も通用(むしろ未だに前衛的)する作品を作ってしまうキューブリックとは一体何者だったのでしょうか。
キューブリックが独特のジャンル、世界観を確立している理由がよくわかる気がする。

内容に関しては、映画における全要素を兼ね備えている圧巻の完成度。

ストーリー:一貫して描かれる反体制主義。1970年代当時のイギリスのアナーキズム、パンクの雰囲気が感じられる。
アメリカン・ニューシネマの括りでまとめられるのも理解できる。

音楽:テーマ曲を始めとして、全体的にクラシック音楽を編曲してアレンジしているのも見事。アレックスの設定と絡めて、クラシックを基調としているからこそ、音楽の部分からも統一感出るんだと思う。
個人的には作家の家のインターホンの音がヴェートーヴェンの『運命』なのも、キューブリックのこだわりが感じられて好き。

画面構成:キューブリック作品特有の左右対称ではないけど、奥行きを感じさせる部屋のレイアウトとか撮り方めっちゃ好き。
アレックスの部屋おしゃれすぎる(笑)
あと作家の家もリビングの奥行き(高さ的にも)あってこだわってるなーって感じた。

セリフ:普段セリフとか言い回しは気にしないけど、この作品は言い回しまでも詩的すぎた、、
原作が小説っていうのもあると思うけど、喩えとか言い方がいちいち詩的で綺麗なんよね。ナッドサット語に関しては、何とも言えません(笑)

こんな感じですごい凝った作品だし、キューブリックの世界観が如実に現れている作品だったので、非常に楽しめました!

たぶんおそらくだけど、トレインスポッティングもかなり影響を受けた作品何だろうなあって思う。
リンクする部分が不自然なくらい多いしね。

好き嫌いはかなり分かれると思いますが、キューブリックワールドを楽しめることからも、ぜひ一度観ることをオススメします!