このレビューはネタバレを含みます
10万年前に南極に着陸した異星の「物体」が人間や犬に取りこみ「同化・擬態」しつつ感染的に増殖するのを、自らの命を代償に南極内で封じ込めようとする米国南極隊員たちの死闘。アイディアはボディスナッチャーズの前例があるが、大きく 2つの要素が本作を特徴づける:「物体」の恐怖(外見、凶暴性、侵略者属性)と、クローズドサークルでの「誰がやつらの一員か?」の心理サスペンス。この 2要素がうまく噛み合い、主演カートラッセルらのリアルで味わい深い演技もあって、完成度の高いエンタメ。エンディングは予想できなかったが、ハッピーエンドでなく、彼らが死を覚悟している諦観ムードで終わったことが、余韻を残した。物体の殲滅に成功したかも明示されず(おそらく失敗?)、この後、人類はどうなる?を考える楽しみも。モリコーネ、彼としてはレアなキンキンでおどろおどろしい劇伴だが、安定の職人仕事。細かいところで序盤のコンピュータチェスアプリが興味深かった(負けて酒ぶっかけるのはダメやろ怒