コーカサス

マーニーのコーカサスのレビュー・感想・評価

マーニー(1964年製作の映画)
3.6
“赤い恐怖”

盗癖のある美しい妻マーニー (へドレン)と、彼女を救おうとする会社社長で夫のマーク (コネリー)の心理的葛藤を描いたヒッチコック・サスペンス。

過去、同監督作『白い恐怖』になぞらえたと思われる『マーニー/赤い恐怖』という副題が付けられたタイトルもあったが、今は外されている。

ヒッチコックという監督は、弱点や身体的もしくは精神的に欠陥がある主人公を描くのが実に上手いと思う。
高所恐怖症の『めまい』、依存症の『サイコ』、そして窃盗症と色彩恐怖症を見事に描いたこの『マーニー』も例外ではない。

『鳥』に続いて主演しているティピー・へドレンの美しさと、ショーン・コネリーの都会的なハンサムぶりが物語に色を添え、艶のある大人のサスペンスに仕上がっている。

「そういう女を愛したのが僕の不運さ」
筆者は違う意味?でよく使う台詞を、サラリと余裕で云ってのけるコネリーは、やはりスマートでカッコいい。

男は何を盗まれても、余裕が必要だ。

195 2020