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希望の国のJINのレビュー・感想・評価

希望の国(2012年製作の映画)
4.3
園子温監督ならではの切り口で原発事故を描いた作品。
決して完成度の高い作品ではないけど、早く撮って公開しなければいけないっていう監督の気概が伝わってきた。
よくぞ撮ってくれたっていう気持ち。
そして夏八木勲と大谷直子演じる老夫婦が素晴らしくて、本当によくぞ演じてくれたっていう気持ち。
人ってすぐに忘れてしまうから、もう一度大切なことを思い出すためにも必要な作業だと。
『希望の国』のテーマはおそらく絶望の中にいかに光を見出せるか?っていうのはあったと思う。
監督はこの映画を実際に被災地の人達にも見せてたけど、確かに残酷だ。
悔し涙しか出てこないっていう言葉が印象的やったけども、それだけこの映画が原発事故の不条理を突いていた内容だったってことだろう。
ただこの映画は福島の原発事故があって、さらに20XX年に日本の長島県でまた原発事故があったっていう設定。
よくよく考えてみれば2度目の過ちということになれば、こんな風に福島をなぞっただけの話ではすまないと思う。
2度目は完全に言い訳無用である。
日本がほんまに終わるよ。
何かもう終わったことかのように錯覚させられている福島原発事故。
今こうゆう映画を観て、まだまだ復興には時間がかかるのを思い出すことの重要さをひしひしと感じた。
福島を置き去りにしてはいけない。
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