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デリカテッセンのろのレビュー・感想・評価

デリカテッセン(1991年製作の映画)
4.3

この映画を観ながら、思い出したことがあります。

大学一年の初夏。映画部の学内上映会。
監督・脚本をしていた友人の第一作目が上映されると聞いて、観に行きました。
数本観たのち、いよいよ彼女の作品。
もう、本当にビックリでした。
事前に聞いていたけれど、私には刺激が強すぎた(笑)
そう、人肉食映画だったのです。。

ストーリーは、平凡な学生が人肉食の男に出会って、自分も目覚めてしまうというお話。
なんかね、3人の男が監禁されて、一人一人、臓器や脳みそがえぐられる場面もあって、もれなく貧血になってしまいました(@_@)笑
血糊の作り方や、そういう裏話(?)を聞いていても、やっぱり怖かったなァ(笑)
でもね、本当にスゴイ友人を持ったな!と、感動したのです。


今回の映画は「スウィニートッド」風な人肉食映画。
食糧難のために、人をどんどん殺して食べちゃう話。

恐ろしいのは、お客が「これはあの人の体だ...」と思いながら、お肉を買っていくところ。殺された実の母親だったり、自分の切断された脚だったりね。

食糧難という状況のせいで、自我を見失う人々。
そんな中、唯一まともな主役カップルは、とても素敵に見えます。
初めて部屋でお茶するシーン。女性が何度もシュミレーションするの。こうやって彼を招き入れて、お茶をついであげて...ってね。でも実際は想像と違う展開になってしまう。それで女性はアタフタする。二人のぎこちないやり取り。このあたり、とてもリアルで可愛い。

最後はそのカップルが追い詰められてしまいます。
鍵のかかったドアにお肉屋さんや、そのアパートの住民たちが押し寄せてきて、肉包丁やバールなんかを振りかざすんです。なんかもう、シャイニングのジャックニコルソンが大量発生してるの。みんな目が血走って、理性がなくなって、ただの動物。こわい、こわい場面です。



ちょっぴりファンタジックで、刺激的。
やっぱりジュネさんの映画、好きです。
ろ