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消されたヘッドラインのsugar708のレビュー・感想・評価

消されたヘッドライン(2009年製作の映画)
4.1
フィクションとは思えない軍事産業というビッグビジネスの裏側。

国の事業の民営化、その委託業者が裏で全部繋がっていて、そこには議員も一枚噛んでいる。なんて話を聞けばアメリカのみならず我が国、いや世界中の人が「あぁ、実際にありそう」そんなことを思ってしまうでしょう。本作ではそんな巨大企業の陰謀に巻き込まれ、暴こうとする2人の記者が主人公の物語です。

ラッセル・クロウ、レイチェル・マクアダムス、ベン・アフレック、ヘレン・ミレンという実力者を集めてるだけあって、それだけで見応え十分の作品でした。手に汗握る展開と其々の利害や思惑、欲望が何重にも重なり絡まり合うストーリーはこの手の陰謀サスペンス映画の王道と言えるのかもしれません。

巨大な陰謀というものも、突き詰めれば1人の人間の私利私欲が起点となり、そんな人間たちの欲望の集合体であるとするならば、本作の着地点は正に“陰謀の構図”に相応しいものだと思います。

書き上げた記事の送信ボタンを押さなかった、押せなかったカル。真実と向き合う記者である前に1人の人間だった彼の極限の葛藤は見ていて胸が苦しくなりました。
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