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ゴジラ-1.0のsugar708のレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
4.5
朝ドラ版ゴジラにして
久々の正統派日本ゴジラ誕生。

ゴジラシリーズ前作であるシン・ゴジラから7年、その間にハリウッド版モンスターヴァースシリーズのゴジラがありました。
どちらも非常に大好きな作品なのですが、平成VSシリーズど真ん中世代の私としては、どうしても少し物足りなさがあり。。。

そこにゴジラシリーズのファンを公言する山﨑監督がメガホンを取られるとのことで、どのような形で描かれるのか非常に楽しみでした。
ゴジラを未曾有の災害と捉えて、国防などの観点から描いたシン・ゴジラが非常に高い評価を受けていただけに「誰かが引き受けなきゃいけない」という劇中に登場するセリフの気持ちだったとのインタビューが印象的でした。

ここからはあくまで個人的な意見ですが、もう!最高でした!
まずはゴジラのデザインが!もうわかってるなと!フィギュアが欲しくなる格好良さ!

ミレニアム世代のゴジラをしっかりと踏襲しながらも、ハリウッド版ゴジラの恐竜感も少し意識した洗練されたデザインは正に神とも呼べる存在の神々しさがありました。

監督インタビューで「日本のゴジラは首が立ってないといけない。日本のゴジラは恐竜ではなく神々に近しい存在だから」と仰ってて、正にそうだなと!
もちろん、中に人が入っている背景はあるものの、それが我々の愛したゴジラなので、そこをしっかり守っていただいたことは本当に素晴らしいなと。

また熱線の際の核爆弾などを意識したという背びれの動きも最高でした!

そんな日本版ゴジラとハリウッド版ゴジラの良い部分を取り入れて、山﨑監督のオリナジティも入れた歴代No.1の格好良いゴジラが帰ってきただけで本当に嬉しいです。

内容に関しては、非常にシンプルかつ分かりやすいので特に触れませんが、奇しくも朝ドラ出演の2人の共演ということもあり、所々「あれ?これ朝ドラかな?」と思ってしまいましたが、それも良かったです。

ご都合主義な部分もあるかと思いますが、平成VSシリーズを見てきた世代としてはゴジラシリーズに余計なメロドラマやメッセージ性は求めていないので、アレくらいのベタさが丁度良いかと。

何故ならゴジラという存在そのものが、それだけで最大のメッセージだと思うからです。

ビキニ環礁の核実験が生み出した「核の落とし子」「人間が生み出した恐怖の象徴」であるゴジラは、正に唯一の被爆国である日本にしか作れなかった存在であり、科学等を追い求め行き過ぎた人間がどうなるのかという社会問題を常に提示しているので。

初代ゴジラを徹底的に意識しながら、国防という新しい視点で描いたシン・ゴジラに続いて、日本のVFX第一人者でありながらゴジラ愛に溢れた山﨑監督が生み出した最高にカッコいいゴジラ-1.0、この次は一体どうなるのか、次メガホンを取る監督は更に大変になったような気がします。
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