カリカリ亭ガリガリ

ブラック・ダリアのカリカリ亭ガリガリのレビュー・感想・評価

ブラック・ダリア(2006年製作の映画)
5.0
デ・パルマがブラック・ダリアを撮る!という尋常ではない期待に対して、全くスリラーにはせず、あくまで男女のドラマに重点を置いてノワールに徹してみせた、にも関わらずトリック自体が全く成立しない明確なミスキャスト(ヒラリー・スワンク)により物語が破綻し、ファンの間でも賛否両論が巻き起きた。

で、自分は限りなく賛。女の幻想に縛られ、妄想に妄想を重ねるしかない男の悲哀は、まさしくデ・パルマなので。似てないけど知らん!お前はアイツだ!俺の言う通りにせい!って『めまい』ホントに好きだよねぇ……。チョイ役のローズ・マッゴーワンちゃんも可愛い(ちなみに当初はミア・カーシュナーと比較的ソックリのエヴァ・グリーンがキャスティングされていたが、エヴァちゃんが『007/カジノ・ロワイヤル』でボンドガールに起用されたので白紙に。それでヒラリー・スワンクを選ぶデ・パルマの変態性たるや)。

そして、我が愛しのウィリアム・フィンレイの遺作であることこそが最重要事項である。