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ブレインストームのkirioのレビュー・感想・評価

ブレインストーム(1983年製作の映画)
3.5
脳の記憶・知覚をアウトプットする実験中、偶然に「死の瞬間」を記録してしまう
その臨死体の記憶の先にあるものは、人智を超える脅威の世界…

隠れたSF意欲作
完成形も良くないが、意欲とテーマに惹かれる一本

監督のダグラス・トランブルは
「2001年」や「ブレードランナー」などに関わった名特撮アーティスト
前作「サイレント・ランニング」にて監督デビューも果たした
いずれもSF設定や特殊撮影が話の主軸になっており、その背景を生かした真面目な作風が特徴

本作では巨大な旋回スクリーンを使用する企画だったそうだが頓挫
苦肉の策で、通常のシーンのスクリーンサイズを削ることで、特殊撮影シーンと対比させた

一足早くVRや脳派スキャンなどが取り入れてられている
またメカの小型化・軽量化によって技術革新を現すあたりも秀逸

明確な悪役も弱い、ラブロマンスも薄い
けれど脱線することなく、一つのテーマに対して様々なバリエーションで挑んでいく
映画はかなり堅物な印象だが、真摯に科学と倫理を突き詰めていくストーリーが良い
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