もっと早くに観ておくべきだったんだろうな。何が『アメリカン・ニューシネマ』たるかが今の時代だとわかんないから並の映画に思える。
悪事を重ねる奴らの逃亡劇。時系列は置いといて散々観てきたシチュエーションだ。
とにかく車を次から次へといとも簡単に盗むことに驚きを隠せない。キーでロックするという習慣が無かったのだろうか。
警官もあれだけいて毎回取り逃がすのはちょっとどうなの?と思う。
ストーリーはあんまり好きではないけど、演出は随所にセンスが現れている。
序盤の吊るされたタイヤに向かって射撃の練習をするカットや、警察に追われ夜の空き地で狼狽する様を車のヘッドライトで照らし出すシーンなど。
全体的に構図がかっこいい。
あとはなんと言ってもフェイ・ダナウェイの色気だ。クライドにのめり込んでいく様や、義姉にマジ切れする時の表情など惚れ惚れする演技だ。ウォーレン・ベイティも悪役とは思えないスマートなダンディズムを感じる。だから役柄もイマイチ嫌いになれない。
残念なのは音楽。なんでこのシーンで軽いノリのカントリー流すかな、みたいな違和感。バンジョーの軽快なリズムが画面に合わない。本当に勿体ないわ。
最後にWikipedia情報から。監督の候補としてフランソワ・トリュフォーやゴダールの名が挙がっていたとかで、どんな風になってたのかifの世界で妄想が広がる。
ボブ・ディランが演じるクライドってのもすげー観たい。