ミッキン

浅草キッドのミッキンのレビュー・感想・評価

浅草キッド(2021年製作の映画)
4.5
今さらながらネトフリ加入しまして笑。
最初に選んだのは『サンクチュアリ』でも『幽☆遊☆白書』でもなくコレ。
配信開始当時、山手線でCMバンバン打ってたから部分的に知ってはいたけど通してみたらめちゃくちゃ面白かった。
劇団ひとりってタレントとして自分は評価してないけど監督としては才能あるんじゃない、と、思った。
漫才と同じでテンポと間が絶妙にいい。
物語の構成も冒頭が現代。そしてツービートたして駆け出しのドサ回り営業時代。そこから2年前の回想、という過去に遡るかたちだが最適解。全てがラストシーンの墓参りに繋がり、たけしの半世紀に名を借りた師匠・深見千三郎の物語だったことに気が付かされる。
原作の小説も未読だが、wikiで調べると火事による焼死も、最後に酒を酌み交わしたのがたけしなのも事実だというから驚く。
時代の波に取り残されたことを認めようとしない生粋の舞台芸人。生活は厳しく金もないのに人前ではパリッとした身なりで見栄を張る。
『笑われるな 笑わせろ』などの言葉も実際の口癖だったらしく、弟子を思いやるは確かにかつてのビートたけしに相通じるものがある(今の嫁さんと一緒になってからはかわったらしいけど)。

柳楽優弥は若い頃のたけしを完コピしてるし、ナイツ土屋のきよしもこんな感じ。
大泉洋はこういう憎めない堅物役やらせると天下一品だわ。

現代のビートたけし役、ビトタケシかと思ってたら特殊メイクした柳楽優弥だと知り最後の最後まで唸ってしまった。
でも、80年代初頭のMANZAIブームを体感してないとこの映画の真髄は伝わりづらいかもしれないね。