R

ジャーヘッドのRのレビュー・感想・評価

ジャーヘッド(2005年製作の映画)
3.3
サムメンデス大好き、戦争映画大好き、なのにずーっと見てなかったジャーヘッドをはじめて見た。始まってからちょっと間は、鬼教官が新兵に罵声を浴びせまくる、という、伝説的名作フルメタルジャケットのオマージュで、しかもほぼそのまんま同じやり方で見せるという…何とリスキーな…とヒヤヒヤしつつも、メンデス独特の優美な映像に魅せられ、n!悪くない! と興奮。そしたら、今度は、もうひとつの伝説的傑作、地獄の黙示録の最も有名な、ワルキューレの行進をかけながらバリバリバリバリとヘリの大群がやって来て、ヴェトナム人を大殺戮するシーンを、フォーーーー!と興奮しながら見てるアメリカ兵たちを見て、こちらもフォーーーー! どれほど面白い戦争映画が見れるのか、と期待が膨らむ! が、しかし、全然面白くならないんですねー。でも、それがこの映画のポイントなんですねー、たぶん。厳しい軍事訓練をくぐり抜け、湾岸戦争の舞台である砂漠に到着しても、大したことがなーーーーんも起こらない。その空白期間のあいだに、母国の彼女に捨てられて、オナニーして、ダラダラして、オナニーして、だべり散らして、オナニーして……と、戦闘が始まらなくて、退屈でたまらない兵士たちの断片断片のエピソードが、ほんとにどうでもいい感じで延々と描かれて行く。そして、おっ!ドラマチックなことが起きそう!ってなるたびに、結局何も起こらず、不発におわる。だから、見てるこっちもあんまり面白くない。し、短いエピソードの集積的な映画が常にそうであるように、異様に長く感じる。けど、おそらくそれを狙ってあるんだから、しょうがない。でも、やっぱりおもんない笑 ところが、さすがメンデス、映像の美しさ、ことに砂漠の向こうにアラブ人が現れるシーンや、はるか遠くに立ちのぼる燃える石油の煙の柱 & 燃えるような空の色をとらえたシーンなどは、幻想的としか言いようのないビューティ。ただどうしても思ってしまうのは、もうちょっとおもしろく作ってもいいんじゃないかなーっていう、でもそうすると本作のポイントをmissするのか、というジレンマ…をなぜ見てるこっちが感じなければならぬのか笑 まーいーや。ジェイクギレンホールの裸踊りも見れたことだし。いらんけど。ジェイクギレンホールのオナニーシーンも見れるし。いらんけど。ひとつ、おやっと思ったのは、ジェイクギレンホールがカミュの異邦人を読んでるとこ。あとあとストーリー全体がわかったあと考えると、テーマがそこにちょろりとのぞいてることがわかって、それだけはちょっとおもしろい。
R

R