LalaーMukuーMerry

ソフィーの選択のLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

ソフィーの選択(1982年製作の映画)
4.2
処女は英語でvirgin、では童貞は?
その答えをこの作品で初めて知った !(^.^)/ 
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童貞も英語ではvirgin、男女の区別ありません。意外~
…って、こんなに重苦しく悲しい作品の感想がそこかい!
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私の名はソフィー、ポーランド出身の32才です。戦争が終わって、アウシュヴィッツ収容所から解放されてニューヨーク郊外(ブルックリン)に来ました。
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ここに来て、ネイサンという男性と知り合いました。病気がちだった私は、好きな詩人の本を借りに図書館に行った際、卒倒してしまったのですが、その時私を救ってくれたのが彼でした。生物学者で大きな製薬会社に勤める彼は、発想が奇抜で才能あふれて、情熱的で明るく楽しい人でした。私たちは恋に落ち、彼のおかげで私は健康を取り戻すことができました。本当に奇跡のような出会いだと感じています。
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でも彼は時々家に帰って来なかったり、よくわからない不思議な行動を起こすことがあります。癇癪を起こす癖もあって、そうなると手が付けられなくて身の危険を感じることもあります。ちょうど彼が私に暴力的に当たっていた時、もう一人の男性スティンゴが現れたのです。
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スティンゴは南部出身の作家志望の若者で、初対面の時から私が気になっているようでした。それでもネイサンと対決することは決してなく、私とネイサンの仲を黙って見守るような大人しくて優しい思慮深い性格でした。ネイサンと私、そしてスティンゴの奇妙で危うい関係が始まりました。
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ふたりの男性から、私は時々ポーランド時代のことを聞かれました。あまり思い出したくなかったのですが、少しずつ話して聞かせました。
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父は法学者で教養が高かったこと。だから私も子供の頃からポーランド語以外の言葉(独、仏、露、ハンガリー、スラブ語)を勉強し話せるようになったこと。年頃になって父の助手だった男性と結婚し、男の子と女の子の母親になったこと。反ナチス発言をしていた父をはじめ、大学教授たちは(私の夫も一緒に)ドイツ兵たちに捕らえられてザクセンハウゼン収容所に送られ、そこで銃殺されたこと。母は結核にかかり寝込んでしまったので、母のために闇市でハムを買って帰る途中ドイツ兵に見つかり、ユダヤ人でもないのに私たちは捕らえられ、アウシュヴィッツ送りになったこと。息子ヤンは子供バラック(労働キャンプ)に入れられたけれど、娘エヴァは焼却炉に送られ抹殺されたこと…
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たくさん嘘をつきすぎて何が真実なのかわからなくなりました…
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タイトルは終盤の辛いエピソードから来ています。過去の辛い選択と、現在の恋愛の選択がリンクする、悲しいお話でした。
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真実を知っても、それを理解することは難しい…
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ソフィー役の若い頃のメリル・ストリープの、透けるような肌の白さと妖しい美しさ。ポーランド訛りの英語、ドイツ語、ポーランド語を見事に使い分け演じておりました。