これが配信されるのを心待ちににしていた東映オンラインシアター。
原作者のさいとう・たかをが以前述べていたが、ゴルゴ13のモデルは高倉健であり、この映画に違和感が感じられなかったので説得力はあった。
さいとうは映画化の条件として海外ロケと主人公は前述の高倉健を希望したらしいが、我儘にみえるかもしてないが、この条件が作品として精度を上げたと思う。
ゴルゴとクライアントとの交渉時における登場の仕方や必ず握手をしない、背後に人を立たせない、殺しを依頼する方法といった細かな設定を交渉時にゴルゴが一体どのような人物なのかを冒頭でさりげなくみせるあたりはよく出来ていた。
撮影は実際のテヘランでおこなわれたようだが、肝心のアクションは及第点以上、女性よりも仕事を優先する冷徹さやマンガに出てきそうなキャラクターなど評判の割には良くできていると思う。
パフラヴィー政権時の製作でイラン革命以前に撮影されているため、欧米のような雰囲気がある街並みを見入ってしまった。そしてヒジャブで顔を隠さないで外出する女性のカットは貴重な映像史料としての価値がある。
[東映オンラインシアター]
(2023年8月11日まで期間限定配信)