Kevin

ノッキン・オン・ヘブンズ・ドアのKevinのレビュー・感想・評価

5.0
全く正反対の2人“マーチン”と“ルディ”はある日医者から病気の宣告を受け、余命僅かだと言われる。
同じ病室になった彼らは意気投合し、まだ1度も見たことがない海を目指す為、2人は病室から脱走する。
しかし移動手段に必要な車を奪ったが、その車はマフィアの所有物でありマフィアから追われてしまう。
そして途中で犯した強盗により、警察からも追われることに。
果たして彼らは海を見ることができるのか...。

〝天国じゃ、皆が海のことを話すんだぜ〟
傑作として名高い本作。
自分が今まで観なかった大きな理由が“アクションの棚になかった”から。
そう、今までずっとこの作品をアクション映画だと思っていたので「ないな〜」と思い、簡単に諦めていました。
そしたらなんとドラマの棚にあるではないですか。
いつもレンタル店に行くと一通り全部の棚を見て、その中から観たいのを借りるという借り方をやっているのですが、何故か今日まで見つけられなかった。

それが今観るに至った理由です。

いやあ、最高の一言に尽きます。
この作品について色々勘違いしてました。
1つはドラマを主体とした準アクションであるということ。
もう1つはアメリカ映画ではなくドイツ映画だったということ。
ドイツ映画も捨てたもんじゃありません。

ひとつひとつのカットが秀逸で観ていて全く飽きが来ないです。
尺も約90分と短く、テンポもいいのであっという間でした。
音楽も最高に痺れます。
作品全体を通してセンスの塊。

ラストは目頭が熱くなります。
感情的には【ショーシャンクの空に】と似た、〝爽やか+感動〟。
しかし個人的にはショーシャンクよりそれが数倍強かったです。
ただ〝海が見たい〟という一つの夢を叶えるために、マフィアから追われ、警察から追われ、そして“死”からも追われる。
逃げるのに、生きるのに精一杯でありながらも、そんな彼らは何よりも輝いて見えました。

“天国では皆が話す。海のこと、夕陽のこと…。あのバカでかい火の玉を眺めてるだけですばらしい。海と溶け合うんだ。ロウソクの光のように一つだけが残る。心の中にな。”

次観る時は、テキーラ+塩&レモンをお供に観たいです。男の友情に乾杯。
Kevin

Kevin