エミリー・ブロンテが19世紀半ばに書いた名作小説「嵐が丘」。
ある屋敷の主人に拾われた孤児ヒースクリフは屋敷の娘キャサリンと心を通わせる様になるが、ヒースクリフを心から必要としていながらキャサリンは他の男と結婚してしまう。
その後冷酷な復讐を繰り広げるヒースクリフ。
台詞がシェークスピアの舞台劇のようなところもあって、古典作品らしさが感じられた。
ストーリーを手短にまとめ過ぎているのが残念で、主役2人の心情をもう少し丁寧に描いていれば彼らにもっと共鳴できたのではないかと思う。
ヒースクリフの冷酷さは生い立ちから来るものか、生まれ持ったものか?
愛情を受けて育つべき時にそれが与えられなかったというのは大きな原因かも。
イギリスの荒涼とした大地と厳しい自然の中での当時の暮らしが伝わって来て、バックに流れる坂本龍一の音楽も良かった。
レイフ・ファインズは粗野で無骨なヒースクリフをセクシーに演じ、ジュリエット・ビノッシュは美しさの絶頂期とも言えるくらい魅力的で、キャサリンと娘のキャシーを見事に演じていた。