おときち

激突!のおときちのレビュー・感想・評価

激突!(1971年製作の映画)
3.9
車を運転するのが怖くなる。

『ウエスト・サイド・ストーリー』を楽しみにしていたのだが公開延期に。「スピルバーグ作品って実はあまり観ていないかも」ということでまずは『激突』から。

面白かった。手に汗握る。ハラハラする、というか腹が立つ。

ごく普通のセールスマン、デイヴィッド・マンが運転する車が前を行くトレーラーを追い抜いた。商談の時間もあるし、家に帰る時間だって決まっている。
一本道の前を行くトレーラーはノロノロ運転。デイヴィッド・マンはトレーラーを追い越した。外から見る限りそんなに失礼な追い越しではなかったと思う。ただそれだけなのに。
どうやらトレーラー運転手はその追い越しがお気に召さなかったようで(そんなレベルじゃないけど)、そこから執拗なまでの煽り運転や進路妨害などが始まる。そして…。

本作は初めて観た。まだスティーヴン・スピルバーグが無名時代の作品とのこと。劇場公開用ではなく、テレビ映画として撮影された作品ということに驚く。日本やヨーロッパでは後に劇場公開されたらしいが、元々はテレビ用映画だなんて(火サスみたいなことでしょ?)。

もう冒頭からもろ「映画」です。
ストーリーはシンプルだとはいえ、説明や台詞が少ない。あまり台詞を必要としない作品なのかもしれないけど、ただ映像を観ているだけでハラハラしてドキドキして面白い。それってすごいな、と思う。
画面の構成、画作りと編集だけで緊張感を生み出す。「すげー」ってなる。「これこれ!」って思う。
「まだいるかな?もういない?」からの「いたー!」っていうの楽しい。台詞なんて一つもなくてもわかる面白さったら。


スピルバーグ作品、まだまだ観ていないものが多いから楽しみ。