おときち

イン・ザ・ハイツのおときちのレビュー・感想・評価

イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)
4.5
これは劇場鑑賞推奨作品。割と本気で。
「やっぱり映画は劇場で観るのが楽しいなー!」となること間違いなし。


マンハッタン北部のワシントン・ハイツ。カリブ海系の移民(不法移民)が多く住むこの地区が舞台。
食料品店(コンビニ)を営むウスナビ、彼が恋する美容師ヴァネッサ、スタンフォード大学に通う才女ニーナ、タクシー会社配車係のベニーを中心に夢や希望だけでなく、迷い、祖国への想い、人種差別、貧困など様々な要素を取り込みつつも、胸が熱くなる音楽・歌・ダンスで魅せる143分。

冒頭8分の映像が公開されていたので、なんとなく観たら面白くて、「これは劇場に行かないと!」と。調べたらドルビーシネマで上映していたので「せっかくだし」ということでドルビーシネマで鑑賞。しかもファーストデイでお得に。
これは大正解。劇場に行って良かった!めちゃくちゃ面白かった。「あぁ映画って楽しい!」ってなったよ。そういう意味でもなんだか胸が熱くなりました。


ストーリーはもちろん良いのですが、ミュージカル映画として語るうえでいちばん重要な要素であろう「音楽」が最高。
ラテンミュージックとラップ、最高だな、おい。
椅子に座りながらも、ずっと足でリズム取っちゃう(横に娘しかいない席でしたので)。なんなら立ち見で踊りながら観ても良いレベル。
セリフがそのままラップになっていき、音が加わって歌唱シーンへ突入!みたいな。こういうの楽しいぞ。
『ラ・ラ・ランド』みたいなのも悪くないけど、ラップとミュージカルの親和性が高いことを今さらながら認識。当たり前のことといえば当たり前な気もするけど。

どの登場人物にも感情移入できる部分がある。
移民問題とか現状の日本で暮らしている上では想像力で補うしかない部分もあるけど、夢と現実、期待と現状、仕事と明日への不安みたいなものは私でもわかる。

特にニーナ。ワシントン・ハイツ地区のコミュニティの希望として、期待され大学へ進学。でもそこで現実を目の当たりにして…。あれは辛いよな。でもニーナのお父さんの気持ちも分かるし。

冒頭の食料品店から街頭でのダンスまでのシーン。
美容院でのシーン。
プールでのシーン(プールに向かうシーンも)。
クラブのシーンもその後の大事なシーンも。
とにかく良いシーンばかりだった。

祖国や国旗への想いというのはこの日本に住んでいると100%理解はできないかもしれないけど、終盤かなり胸が熱くなるシーンがあった。あれは痺れた。

ウスナビの名前の由来、好き。
ヴァネッサ役のメリッサ・バレラ、ニーナ役のレスリー・グレイスとも歌が上手過ぎ。この2人だけではないんですが。
ダンスも良いし、画もバキッと決まってて、観ていて耳も目も楽しかった。


公開から3日目の鑑賞だったのだが、パンフレットが売り切れ…。欲しかった。
観賞後、サントラを聴きまくっています。
あー、もう一回観たい。映画館に行きたい。映画館最高。ポップコーン美味い。映画楽しい。


これは「配信でいいか」ではないです。劇場で観るべき作品。
長そう?リズムに乗っていればあっという間です。
一緒に行った中学1年生の娘もそう言ってたので間違いなし。
おすすめ。割と本気で。