おときち

たまこラブストーリーのおときちのレビュー・感想・評価

たまこラブストーリー(2014年製作の映画)
3.8
山田尚子、吉田玲子、堀口悠紀子という「けいおん!」陣営による京都アニメーション制作オリジナルアニメの劇場版。

山田尚子監督ってすごいなぁというシンプルな感想。

うさぎ山商店街を舞台に餅屋「たまや」の娘、北白川たまこと、その道向かいの餅屋「大路屋/RICECAKE oh! ZEE」の息子、大路もち蔵の2人をメインにした、それこそタイトル通りのラブストーリー。

ストーリーはありきたりかも知れない。でも、だからこそ手が届く話というか。これはこれで良いと思う。恋愛と進路を絡めたシンプルなストーリーなので、デラちゃんやチョイちゃんのこと忘れてたわ。出る幕なかったね、デラちゃん。
人生で最初の大きな岐路に立つ高校3年生という(今思えば)一瞬を、作画や色合いを含めた美しい映像、心の機微を捉える演出とそれ伝える画角とカメラワークで魅せる83分。あっという間だった。マジックアワーの色合いとかキレイだったなぁ。

たまこももち蔵もかわいい。もち蔵がんばった。カッコ良かったよ。
ちょっとだけ距離が近過ぎるような気もするうさぎ山商店街のみんなも相変わらず良い。あの街に住みたい。もち蔵が所属する映画研究会の仲間もいい奴だったなぁ。
そんな感じで魅力的な人物が多いんだけど、たまこの友達でバトン部の部長、常盤みどりが特に素晴らしい。優しさもちょと嫌な感じも、戸惑いも憂いも自己嫌悪も全部持ってる。ここ最近観たアニメの中でかなり好きなキャラクター。みどちゃん。

結末がどうなるかは置いておいて、スパッと終わるラストは気持ち良かったし感動しちゃったよ。どうぞ。
そしてたまこが歌う「こいのうた」がなんか良いんだよな。父ちゃん良い曲作ったな。エンディングの映像もとても良かった。


デラちゃんは『南の島のデラちゃん』を作ってもらえて良かったね。