タキ

激突!のタキのレビュー・感想・評価

激突!(1971年製作の映画)
4.4
才能のあるひとが短時間、低予算で作った作品の抑えきれぬ煌めきにひれ伏すしかない。まるで車自体が生き物のように見える効果が増すようにタンクローリー運転手の顔を最後まで見せなかった演出は出色。次々と起こるアクシデントも緊張と弛緩の揺さぶり方が絶妙。主人公の車のバンパーがスクールバスの後部にハマって外そうと悪戦苦闘している最中にタンクローリーがトンネルの向こうにゆらりと現れてじわりと前進した瞬間にヘッドライトがギラッとひかるシーンがカッコよくていちばん好き。カフェでタンクローリーの運転手が誰なのか主人公が疑心暗鬼になって探し回るシーンがあまりに上手くて感心してたら黒澤作品からの引用とのこと。クロサワ大好きのスピルバーグ監督らしい。やりたい気持ち、すごくわかる。
NHKBSプレミアム放送分。
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