肉浪費Xアカウント復旧無理ぽ

ナイル殺人事件の肉浪費Xアカウント復旧無理ぽのレビュー・感想・評価

ナイル殺人事件(1978年製作の映画)
3.4
このポワロ、リネット嬢の遺産を狙ってそうな陰険さがありますぞ!
正統派ミスサスの天才的トリックがありながらも映画として見れば、リメイク版(2022)の努力が窺える「愛」とは無縁の殺伐豪華客船紀行

ちょっとこのポワロさん、事件直後の死体を前に冗談かますなんてやべーユーモアお持ちじゃないんですかって(笑)

この映画も豪華俳優陣で固めてるようですが、クラシック映画に全く詳しくない身としては、パッと見でわかるのは異彩を放つ美しさのオリビア・ハッセーさんと、ハリポタのマクゴナガル先生ことマギー・スミスさん(わっけ〜!)くらいでしたねw

だから当時を生きてない身としては、当時やキャストを懐かしみのあれやこれやはまるで言えないですが、この映画単体じゃ『オリエント急行殺人事件(1974)』と違い、ポワロさんにも全然愛着が湧かないですねw
リメイク版が"ブラッシュアップ"と自信を持ってそう評していいくらいには「真相」への持って行き方が一味も二味も違うものになっていますね。
リメイク版(2022)の客人それぞれの愛憎渦巻く脚本の原型がアガサ・クリスティによるものだったら本当の本当に天才過ぎる…!と内心息を呑む思いでしたが、リメイク版から辿ると納得できるだけのここから"現代ナイズ"された変更が窺えますね…

それにこちらは豪華客船のサイズが些か小さ過ぎてリメイク版は当時の"技術"を鑑みてのフェリーにならない範囲の絶妙な大きさでより"豪華"に、造形、景色も"より美しく"と、ビジュアルと脚本の両面から"飽きさせない「ミステリー」作り"の努力を具に感じますね。
"歌とダンス"を派手に取り入れたのは、ボリウッド映画と違いますがやはり「エンターテイメント」として"デカい"ですよw

映画または原作の当時の捜査方法が違うかも知れませんが、序盤に書いた通りポワロさんのユーモアがあまり好ましくなくて、相棒の大佐と一緒に「なんであいつが殺されないんだw」的な毒のある冗談を言ったり、事件現場の保管、凶器、重要器物の指紋等とにかく扱いが雑なんですよねw
それに加えて、殺害被害者がお札の紙片を握っているのを発見しただけで「犯人強請って殺されたに違いない!」みたいな発想の飛躍が過ぎる推理(ポワロじゃないけども)をかましたりとポワロ側の行動も細かくツッコんだら切りがない荒々しさがありますね。
この部分はアガサ由来のものと思いたくないですが…

映画のタッチとして更にわかりやすい違いを言いますと、リメイク版と違い今作はリネット嬢はヤな奴!ヤな奴!だし、客船の容疑者ほぼ全員がわかりやすくリネット嬢に向けた"殺意"を口にしているんですよねw
それは良くも悪くも順当な"ミスサスのスタイル"で、火サスや某蘭ーん!!な漫画・アニメも影響を与えた"伝承"されてきたスタイルなのでしょう。
リメイク版はそこをあまり露悪的に表現せずに"上品"にまとめ上げたところが「お!」とくる手法なのですが、だからこそリメイク版(2022)のレビューで訴えたように、最終的に"もう一捻り"ある感情に訴えかける「人間関係(原因)」が欲しかったところなんですよね…

同じアガサ作のリメイク比較で『オリエント急行殺人事件』で大して感じなかったものが、今作ではハッキリと"差"を感じるような対比ができる楽しさのあった映画でした。