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肉体の冠のmingoのレビュー・感想・評価

肉体の冠(1951年製作の映画)
4.1
渋谷TSUTAYAに何があってないか、新宿TSUTAYAに何があってないか、わかりはじめたら真の映画野郎。わかりはじめたマイレボリューション〜
ちなみに本作は渋谷TSUTAYAにはVHSしかないが、新宿にはDVDがある!観ることを諦めていただけに見つけたときは心踊りましたね(映画キチガイ)。

「ジャックベッケルにハズレなし」とは誰が言ったかわからないが、本作も古典メロドラマの大傑作。他のどのベッケル作品よりジャンルノワールを正統に受け継いでるドラマに、当時の19世紀末パリの美しい景色をフレームに捉え、それぞれのフランス的人物像が上手く描き出されている。男のプライド、女の情念、人生における出会いから別れまでを、楽しみと悲しみを交え紡いでいる。。。

今の映画はとにかく長かったり、余計な話を付け足しすぎて中弛みするが、本作は無駄な肉をすべて削ぎ落とし、素晴らしい俳優(シモーヌ・シニョレはじめ)の圧倒的な存在感とベッケルの演出で永遠の名作に成ったのではないだろうか。

人間における美学を真に問う映画はそう多くはない。譲れないもの、じぶんの内にある核なる心、少しずつ育んでいきたいと思わされた傑作。
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