シュトルム凸映画鑑賞記録用改め

砂の器のシュトルム凸映画鑑賞記録用改めのレビュー・感想・評価

砂の器(1974年製作の映画)
3.8
久々の邦画です。
日本は広くて、美しい国ですね。家系が山陰の人間なので、思い入れたっぷりに見れました。雲伯方言がキーになるんで、どうせなら画面の中でも土地の人にでも喋らせて欲しかったな。個人的にはそんなに似ているとは思わない(笑)
竹下登元首相の喋り方が典型的な出雲弁ですね。
舞台のご当地にはいつか行ってみたいな。
丹波哲郎は後年よりずっと精悍な印象の力強い演技を見せている。森田健作も若々しさが印象に残る。
なぜ、男は会えなかったのか?原作を読めば分かるのかも知れないが、映画ではそのあたりの機微は詳らかではない。しかし男の世界観に関係があると思う。世間や人間関係をネガティブに捉えて、それが自己の表現や生きる原動力になっているのだとしたら、今さら会えないのかも知れない。世の中捨てたもんじゃない、と思わない事が、生き方の核になってしまった人間にそんな生き方が間違っているとは、そんな辛酸をなめ尽くしていない人間からは言えないよな。
緒形拳の言葉や行動は真っ直ぐで胸を打つが、それに心を動かされない人間もいるという事実がまた、胸を打つ。間違いなく泣ける、哀しい物語でした。
ところで、羽後亀田は結局単なる攪乱だったのだろうか?