シュトルム凸映画鑑賞記録用改め

ジョゼと虎と魚たちのシュトルム凸映画鑑賞記録用改めのレビュー・感想・評価

ジョゼと虎と魚たち(2003年製作の映画)
4.1
アニメ版から実写版にやって来ました。
「別れても、友達になれる種類の女の子もいるが、ジョゼは違う」
なるほど、これは別作品と言っていいほどに違うね。テーマ自体が違う。そもそも妻夫木が主役だとこういう展開しかないのではないか(笑)
アニメ版との違いは
・障害者への視点が違う
・セックスが描かれている
・主人公が妻夫木聡(の体現する所のいつもの真剣に生きられないタイプの主人公)
・主人公もジョゼも特に才能がなく、低スペック
・周辺環境も猥雑で下層
といったところか。
これはこれでブンガクしてると思うんだよねえ。結局、主人公はヘタれるが、ジャック・ニコルソンの「ファイブ・イージー・ピーセス」と同じだね。
身体の不自由な女子に頼られることの気分の良さ、そこに潜むウエメセの快感、そして勿論セックスの快楽。その刹那的な幸福感が永続しないこと。恒夫はそれらに恐らくは自覚的である。だが、ジョゼを切り捨ててしまった後で、恒夫はその中に何がしかの真実や愛が含まれていることに気付くのである。自分がそれを決して手に入れられないタイプの人間であることを理解しつつ。
池脇千鶴のブスメイク(ラストシーンだけキチンとしたメイクに戻る)が、いい味出してる。上野樹里がライバルというのも相まって、そんなに可愛くない女子同士の恋の鞘当てがリアルである。上野樹里が車椅子の池脇千鶴を平手打ちする。車椅子からの反撃をあえて避けようとしない。そしてもう一度平手打ちをする。このシーンは一見の価値がある。