シュトルム凸映画鑑賞記録用改め

ミッドサマーのシュトルム凸映画鑑賞記録用改めのレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
4.0
等価交換原理に貫かれる「聖なる鹿殺し」のような不穏感、「アポロンの地獄」のような古代社会の人間そのものへの無造作感。
「金枝篇」に記述される王殺しの慣習や、あるいは横溝正史やジャパニーズエロゲーの因習淫靡な奇祭の村、と類例は沢山思い付くが、それらと違うところは、あえて白夜で青空が高く明るい北欧でやるという悪趣味的な着想だろう。暗い村でやるよりも、色調の明るい村でやった方が素晴らしく映えるのである。どうして誰もこれを思いつかなかったのか。コロンブスの卵か。
そして着地点が、ストックトンの「○か○か」(タイトルも中身も有名過ぎるのであえて伏せる)という。監督兼脚本家アリ・アスターの、女がそちらを選ぶ筈がないという確信に満ちた結論こそ、男子諸君は共感するのではないか。だって、我々みんなが、最初から分かっていた話だろう?
女がどちらを選ぶかなんて…。