シュトルム凸映画鑑賞記録用改め

ザ・ピーナッツバター・ファルコンのシュトルム凸映画鑑賞記録用改めのレビュー・感想・評価

4.2
ロードムービーが好きなんですよね。もうそれだけでポイント甘くなる。
この作品の旅の道連れは、商売敵とトラブって蟹籠に放火し逃走中の漁師タイラーと、プロレスラーになるのが夢で施設から逃亡したダウン症の青年ザック。社会のはみ出しものの二人がフロリダ方面を目指して南下するというので、早くも「真夜中のカーボーイ」的な不安感が胸をよぎります。タイラーの面倒見が結構良くて、ザックとどんどん仲良くなっていけばいくほど不安感が…… ダコタ・ジョンソンが道連れに加わると、そこから雰囲気が大きく変わりますけどね。希望が見えてくる。
ザックは悪役レスラーになりたいというのですが、その理由が泣けます。
「家族から棄てられたから」「いい人間だって棄てられるんだ。お前はグッドガイだ。ヒーローだよ」「ヒーローにはなれない」「どうして」「僕はダウン症だから」…
タイラー側には兄を誤って死なせてしまうという「マンチェスター・バイ・ザ・シー」的な負い目があるのですが、ここがもう少し深堀りされても良かったかな。
ストーリーとしては多少荒い感じもあるんですが、タイラーが最初はザックを拒絶するみたいな小芝居を引っ張るテンプレートから少し離れて、とっとと仲良くなったりするので、テンポよく安心してみれます。