SHiN

ものすごくうるさくて、ありえないほど近いのSHiNのレビュー・感想・評価

4.0
″ものすごくまっすくで、ありえないほど愛らしい″


なんだろう、観終わったあとも続くあの余韻は。これだから映画は好き。
とにかくハリウッドでは最強の親子と呼んで良いでしょトム・ハンクス×サンドラ・ブロック×トーマス・ホーンのこの3人は。

まず、トム・ハンクスの父親像がものすごく素敵で、もう本当にトーマス君演じるオスカーと同様かなり彼に感情移入してしまい、彼の息子になったつもりで一緒に悲しんでしまった。。

そして物語が進むに連れて、母親演じるサンドラ・ブロックの苦悩にまたしても激しく共鳴してしまい、彼女の親類のように悩まされてしまった。。

そして、そして可愛い可愛い愛息子オスカー。彼の苦しみもがき悲しみ、どうにもできない精神の痛み、彼の足取りを一緒に辿っている内にそれはトム・ハンクス目線、つまり父親目線で彼を見守る側になってしまった。。

ごく普通の子、普通って言葉はあまり人に当てはめたくはないけど、主人公が健常な子だったならば成り立たない作品。
彼は所謂発達障害。自閉症だ。
その傾向は物語上でも見られる。

奥さんは発達障害の子供を見る仕事をしているので色々と話を聞くことが多い。
育児の大変さ、育児放棄や親も発達障害であったりする場合もあるらしい。

確かに子供を育てるだけでもそれは大変な事なんだと思う。そこへさらに障害を抱えるとなるとそれは想像を絶する。 

でも子供は子供。同じく平等に愛されるべき存在だし、元気に立派な大人へと成長させたいと皆思っているはず。

それには科学や知識では補えない愛情が必要なのだと思う。

そんな彼は無茶ばかりするも、その中にはちゃーんと愛を感じ取れるところが本当に良かった。
周りの大人達もみんな好い人でそんな人情的な所も、現実はこんなじゃないよなーと思っても、いやでもこうであって欲しい!
と思わせる世界観が心にぐぅっと来た。

あの老人は特に最高だ。
勝手なところとか、傷ついてるところとか、似てるんだよねあの二人(笑)

良いタイトルに良い映画だった。
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